2019年7月に、2013年選出の参議院の任期満了(2019年7月28日)に伴う、参議院選挙が行なわれます。
現時点(2019年5月20日時点)では選挙日程が確定していませんが、7月4日公示の7月21日投開票が有力だとされています。
参議院の任期は6年で、3年毎に半数が改定される仕組みです。
2018年7月に成立した改正公職選挙法によって、今回の参議院選挙では、現状の242議席から6議席増え、248議席の半数の124議席を争う選挙となります。
124議席の内訳としては、比例代表が50議席、選挙区が74議席となっています。
そこで、今回は「参議院選挙2019比例代表選の仕組みとは?衆院選の比例との違いは?」をテーマに、昨年成立した改正公職選挙法によって変更になった参議院の比例代表選の仕組みと、衆参同日選挙も噂される中、衆議院の比例代表選との違いについてご紹介していきます。
参議院選挙2019比例代表選の仕組みとは?
出典:時事ドットコムニュース
参議院選挙での比例代表とはどういうものかと言うと、衆議院における比例代表とは大きな違いがあり、それは「比例代表=全国区(1ブロック)」ということです。
つまり、参議院選挙では、選挙区と比例代表は完全に独立していて、選挙区の立候補者と比例代表の立候補者は別で、衆議院選挙のように選挙区で落選しても、比例で復活するようなことは参議院選挙ではありません。
2001年の参議院選挙から、2016年に行われた参議院選挙までは、比例代表選は「非拘束名簿式」が採用されていました。
この「非拘束名簿式」とは、各政党が候補者名簿を提出する際に、候補者の当選順位を決めないで候補者名だけを名簿に記載する方法です。
しかし、2018年7月に成立した改正公職選挙法によって、参議院の比例代表に「特定枠」が設けられるようになりました。
この「特定枠」とは、特定の候補者を名簿順位の上位に置く拘束名簿とする制度で、つまり、今回の参議院選挙の比例代表制では、これまでの「非拘束名簿式」と「拘束名簿式」の2つの制度が存在することになります。
そして、この「特定枠」に入る候補者は、
選挙事務所の設置、自動車などの使用、文書図画の頒布や掲示、個人演説会は認めない。
引用元:東洋経済ONLINE
とされていて、実質的に選挙運動ができない仕組みになっています。
また制度上、この特定枠については各政党が自由に設定できるようになっていて、比例代表の候補者全員でない限り、何人でも設定できます。
参議院選挙比例代表の投票方法と当選者の決め方
参議院選挙の比例代表の投票方法ですが、
- 候補者名を記載
- 政党名を記載
の2つの方法で投票します。
この投票数の合計が各政党の総得票数としてカウントされ、ドント方式によって、各政党の当選者数が割り当てられます。
このドント方式とは、
定数10の場合において、A党の得票数が1500、B党が700、C党が300、D党が200獲得したときの例で説明する。
A党 B党 C党 D党 ÷1 1500(1) 700(3) 300(7) 200 ÷2 750(2) 350(6) 150 ÷3 500(4) 233(10) ÷4 375(5) 175 ÷5 300(7) ÷6 250(9) ÷7 214 商の大きいものから順に議席数10までが当選となる。まず一番大きい1500のA党が1議席。次にA党の÷2とB党の÷1で比較するとA党の÷2が大きいので、A党が2議席。次にB党÷1が1議席。このように進め、B党÷3の233で全10議席が確定する。
最終的にはA党が6議席、B党が3議席、C党が1議席、D党は議席無しとなる。
出典:wikipedia
というもので、各政党の当選者数が決まると、政党内での得票数の多い候補者から、つまり、候補者名での得票数の多い候補者から順番に当選者が確定します。
ただ、今回は先程説明したように、「特定枠」が設けられますので、当選者数に応じて、「特定枠」に指名された候補者から順番に当選者が確定します。
衆院選の比例との違いは?
衆議院の選挙制度は「小選挙区比例代表並立制」で行なわれます。
この制度では、比例代表を全国11ブロックに区分していて、参議院の「比例代表=全国区(1ブロック)」とは根本的に違います。
衆議院の比例ブロックは次のように区分されています。
- 北海道ブロック 定数8
- 東北ブロック 定数13
- 北関東ブロック 定数19
- 南関東ブロック 定数22
- 東京ブロック 定数17
- 北陸信越ブロック 定数11
- 東海ブロック 定数21
- 近畿ブロック 定数28
- 中国ブロック 定数11
- 四国ブロック 定数6
- 九州ブロック 定数20
合計176議席です。
衆議院の比例代表は「拘束名簿式」になっていて、各政党により候補者が1位から順番に並べられています。
また、小選挙区との重複立候補も可能で、小選挙区で落選しても比例ブロックで復活当選ができるようになっています。
注意しなければならないのは、衆議院の比例代表の投票をする場合、あくまで政党名で投票しなければならず、候補者名で投票した場合は、無効票となります。
そして、各政党の得票数をドント方式で決定した当選者数に応じて、名簿の上位者から当選となります。
まとめ
今回は、7月に行なわれる参議院選挙の比例代表選の仕組みと、衆議院選挙での比例代表制との違いについて、ご紹介しました。
2016年に行なわれた第24回参議院選挙は、全体の投票率が54.7%と1947年以降4番目に低い投票率でした。
日本を取り巻く環境も、年々変化している中で、今後の日本行方を占う選挙ですので、前回を上回る投票率になることを期待したいと思います。
今回ご紹介した内容が、少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます!